姿勢と疲れ

タイピングで疲れないための姿勢と休憩|厚労省ガイドラインの基準から

長時間打っていると、手首や肩、目がだるくなります。これは根性で乗り切るものではなく、姿勢と休憩の取り方で変わります。

実は日本には、この作業条件を定めた国のガイドラインがあります。厚生労働省の「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」です。以下はその基準にもとづいて書いています。

(出典:情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン(厚生労働省)基発0712第3号・令和元年7月12日、一部改正 基発1201第7号・令和3年12月1日)


休憩は「1時間以内に区切る」

まずここが、多くの人の感覚とずれています。ガイドラインの規定はこうです。

一連続作業時間が1時間を超えないようにし、次の連続作業までの間に 10 分~15 分の作業休止時間を設け、かつ、一連続作業時間内において 1回~2回程度の小休止を設けるよう指導すること

整理すると3つです。

  • 続けて打つのは1時間まで
  • 区切りごとに10〜15分は離れる
  • その1時間の中でも1〜2回は短く手を止める

「疲れたら休む」ではなく、疲れる前に区切るという考え方です。練習も同じで、長く続けるほどミスが増えます。


姿勢の基準

ガイドラインは、望ましい作業姿勢を次のように示しています。

ディスプレイの上端が眼の位置より下になるようにし、視距離は 40cm 以上確保すること。上腕と前腕の角度は 90 度以上で、キーボードに自然に手が届くようにする

数値で押さえられるのはこの3点です。

項目基準
画面までの距離40cm 以上
画面の高さ上端が眼の位置より下(眼の高さとほぼ同じか、やや下)
上腕と前腕の角度90度以上

椅子と足については次のように定められています。

椅子に深く腰をかけて背もたれに背を十分にあて、履き物の足裏全体が床に接した姿勢を基本とすること。また、十分な広さを有し、かつ、すべりにくい足台を必要に応じて備えること

足が床に届かないなら、椅子を下げるか足台を使ってください。つま先立ちのまま打つと、姿勢が安定しません。

さらに、極端な前傾姿勢やねじれ姿勢を長時間続けないよう、機器の位置を調整することも求められています。キーボードは体の正面に、マウスはすぐ横に置いてください。マウスが遠いと肩が前に出ます。


力を抜くと、速くなる

これはガイドラインの話ではなく、打ち方の話です。

初心者ほど指や肩に力が入っています。力むと動きが鈍り、すぐ疲れます。

キーは軽く打ち、打ったらすぐ力を抜く打鍵音が大きい人は、力みすぎていることが多いです。

力を抜くと連打がスムーズになり、結果として速度も上がります。疲れにくい打ち方と速い打ち方は、だいたい同じものです。


ノートパソコンで打つとき

ノートパソコンは画面が低く、前かがみになりがちです。上の基準(画面上端が眼の位置より下・視距離40cm以上・上腕と前腕は90度以上)を、本体だけで満たすのは困難です。

長時間打つなら、スタンドで画面を上げ、外付けキーボードを使う構成にすると基準に近づきます。


手首・指のストレッチ

休憩のときに、10〜20秒ずつで十分です。

  • 手首を反らす:腕を前に伸ばし、手のひらを前に向けて、指先を反対の手で軽く手前に引く
  • グーパー:手を強く握って、パッと大きく開く。10回ほど
  • 指を1本ずつのばす:よく使う人差し指・中指を、軽く反らしてのばす

痛みやしびれが続くときは

我慢しないでください。

手首や指の痛み・しびれが続く場合、原因は自分では判断できません。続くようなら医療機関で相談してください。だましだまし打ち続けるのは避けてください。


よくある質問

Q. 何分ごとに休めばいいですか?

A. ガイドラインでは一連続作業時間を1時間以内とし、次までに10〜15分の休止を設けるとされています。加えて、その1時間の中で1〜2回の小休止が推奨されています。

Q. 画面はどれくらい離せばいいですか?

A. 40cm以上です。画面の上端が眼の位置より下になる高さが望ましいとされています。

Q. 手首が痛いときは?

A. すぐに中断して休ませてください。痛みが続くなら医療機関の受診を検討してください。


まとめ

  • 続けて打つのは1時間まで。区切りごとに10〜15分離れ、その間にも1〜2回の小休止
  • 画面までは40cm以上、画面上端は眼の位置より下
  • 上腕と前腕の角度は90度以上。足裏全体を床に着ける(届かなければ足台)
  • 極端な前傾・ねじれ姿勢を長時間続けない
  • 痛みやしびれが続くときは医療機関へ

姿勢は一度合わせれば毎回がんばらなくても保てます。道具の高さを先に決めてしまうのが近道です。

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