速さを知る初心者向け

タイピングの平均速度は? 文科省調査でわかる小中高の実測値と、大人の目安

「みんなはどれくらいの速さで打っているのか」。タイピングを練習していると気になるところです。

日本語入力の速度を公的に測った調査があります。文部科学省の情報活用能力調査で、小中高あわせて14,219人が対象です。

先に結論を書きます。

対象1分間あたりの平均文字入力数
小学5年生15.8文字
中学2年生23.0文字
高校2年生28.4文字

ただしこの数字は、そのまま「自分は平均以上か」の判定には使えません。理由は下で説明します。


この数字はどう測られたか

数字を読む前に、測り方を押さえてください。条件が違えば結果はまったく変わります。

  • 実施:令和3年度(調査は令和4年1月〜2月)、すべて CBT(パソコンでの解答)
  • 対象:小学校第5学年 4,486人/中学校第2学年 4,846人/高校第2学年 4,887人(計14,219人・479校)
  • 課題3分間の文字入力課題
  • 課題文:総文字数285文字(平仮名・片仮名・漢字・アルファベット等の組合せ)、全校種共通
  • 方式:画面に表示された文章を書き写す(視写)

つまりこの「文字数」は、変換後の文字を数えたものです。打鍵数ではありません。また自分で文章を考えながら打つ速度でもありません

(出典:情報活用能力調査 調査結果(令和5年3月・文部科学省)


平均だけを見ると、実態を見誤る

この調査には、平均値と一緒に読むべき指摘があります。

1分間あたりの文字入力数における平均値と中央値を比較すると、全校種で平均値の方が中央値より大きいため、上位の児童生徒の文字入力数によって平均値が引き上げられていると考えられる

つまり平均より遅い人のほうが多いということです。分布を見るとはっきりします。

1分間に15文字未満1分間に5文字未満1分間に40字程度に到達
小学5年生51.2%17.6%2.3%
中学2年生23.3%3.8%6.4%
高校2年生9.3%1.1%13.9%

小学5年生は半数以上が1分間に15文字未満です。一方で40字程度(A4用紙の1行)まで届く子は2.3%しかいません。

高校2年生でも、40字に届くのは13.9%です。「1分間に40文字」は、学校段階では上位1割強の水準にあたります。


大人の平均は、公的な統計がない

日本語入力について、大人を対象にした公的な平均速度の統計は見当たりません。参考になるのは英語圏の研究です。

対象速度(英語式 wpm)
一般的なコンピューター利用者(書き写すとき)33 wpm
一般的なコンピューター利用者(自分で文章を考えるとき)19 wpm
専門的なタイピスト50〜80 wpm
高い入力速度が求められる職務80〜95 wpm

注目したいのは、書き写すときと考えながら打つときで速度がほぼ半分になることです。仕事で効いてくるのは後者です。

(出典:Typing — WikipediaKarat ら(1999)の研究を引用)

なお英語式 wpm は「5打鍵=1語」に換算した値で、日本語の文字数とは別の単位です。数値をそのまま比べないでください。


大人が使える物差しは「検定の基準」

公的な平均が無い以上、公表されている到達基準を目標に置くのが確実です。

日本情報処理検定協会の文章入力スピード認定試験は10分間で測ります。

段・級10分間の必要文字数1分あたりに直すと
特段2,000文字以上200文字
初段1,500文字以上150文字
1級1,000文字以上100文字
2級600文字以上60文字
3級350文字以上35文字

(出典:文章入力スピード認定試験|日本情報処理検定協会

先ほどの調査と単位をそろえると、3級の35文字/分が、高校2年生の平均28.4文字をやや上回る水準です。級別の一覧と他の検定はタイピングの検定ガイドにまとめています。


自分の速度を測るとき

測る条件をそろえてください。書き写しか、自分で考えながらか。ひらがなだけか、漢字を含むか。これだけで数字は倍近く変わります。

前回と比べたいなら、同じモードで3〜5回測って真ん中の値を使うのが安定します。1回の結果は体調や課題文で上下します。

カケルのエンドレスタイピングは打ち終わると WPM と正確率が出ます。ただしカケルの WPM は打鍵数で、この記事の「文字数」とは単位が違います。違いはタイピング速度の目安で説明しています。


よくある質問

Q. 日本人の平均タイピング速度は?

A. 大人を対象にした公的な統計はありません。児童生徒については文部科学省の調査があり、1分間あたり小学5年生15.8文字・中学2年生23.0文字・高校2年生28.4文字です。

Q. 自分は平均より速いですか?

A. 測り方をそろえないと比較できません。上の調査は「3分間・285文字の文章を書き写す」条件です。同じ条件で測らなければ、数字を並べても意味がありません。

Q. どれくらいを目標にすればいいですか?

A. 検定の基準が目安になります。1分あたり100文字(10分1,000文字)で1級の水準です。


まとめ

  • 公的に測られた日本語入力の平均は、小5 15.8文字/中2 23.0文字/高2 28.4文字(1分間・書き写し)
  • ただし平均値は上位に引き上げられている。小5は半数以上が15文字未満
  • 「1分間に40文字」に届くのは小2.3%/中6.4%/高13.9%
  • 大人の公的な平均統計は無い。検定の基準(10分1,000文字で1級)を物差しにする
  • 書き写しと「考えながら打つ」では速度がほぼ半分になる
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